行ってきましたカフェ ナナシイ。

オーナーの松木さん(右)と初インタビューをする私(左)
私は福祉の仕事をしていますが、以前「手話 四日市」で検索した時から気になっていたお店でした。
場所は、近鉄四日市駅とJR四日市駅のほぼ中間。どちらからでも徒歩約10分。アルコールメニューもあり、ふらりと寄れるところです。
(手話教室のテキスト)(ついつい手話をしながら話してしまう松木さん)
緊張する私をにこやかに出迎えてくれたのは、オーナーの松木さん。
私、気になっていました。手話できないけどどうやってインタビューしようって。
松木さんは、手話をしながらの会話。健常者の方でした。では、どうして手話を?
松木さん「10代のころ、出会った人に聴覚障害があったんです。コミュニケーションを取ろうとして筆談しようとしたけど、難しくて。」
聴覚障害者とのコミュニケ―ションは、
・筆談
・ボディランゲージ
・(口元の動きを読み取る)読話
・手話
・指文字
・(宙に字を書く)空文字
があるけれど、なかなか難しいそう。その友人とは、手話を学び仲良くなれたんだとか。
それ以来、聴覚障害について考える機会が増え、聴覚障害者を従業員として迎えたことがあるとのこと。接客するときは、オーダーはお客さんにメニューを指さしてもらっていたんですって。
長く続けてくれる人がいれば、と聴覚障害で働いてくれる方募集中みたいですよ。
(新聞記事 「職場は手話が共通語」)
それでは、3つの質問を聞いてみました。
◆ 御社の取り組みの中で、高齢者や障害者に優しい一押しの取り組みは何ですか?
「人と人をつなげることです。もともと話すのが苦手だった私が、手話を知ることで人と繋がることできた。その一環で、毎週手話教室もしています。
今、気になるのは引きこもりの方。どうやって社会へつなぐか、を考えています。人との出会いを大切にしたい。
そういえば、つなぐということでいえばFacebook教室も始めたんですよ!一般の方向けの。」
◆ 地域への貢献活動があれば、教えてください。
「あまり意識していませんが、自分の周りの人を助けたいと常に思っています。何らかの役に立ちたい。」
◆ 顧客に向けたサービスの中で、今後一番力を入れていきたいことはなんですか?
「いろいろな人にひとりじゃない。ということを知ってほしい。人と人とをつなげるというのに力を入れていきたい。」
<取材の感想> インタビューアー:越智佳子

越智 佳子
いろいろなお客様が出たり入ったり。リピーターさんやお友達の来店もあり、ときどき取材中断。愛されてるなあ、このカフェ。
さらに、あれ??急に電気が切れた?!と思ったらお誕生会の演出でした。
元々、金融関係で転勤の多い仕事をされていた松木さん。家に戻ると友人たちが集まっていたというのが、このナナシイができるきっかけだそう。ナナシイという店名の由来は、電話番号からなんですって。確かに7744だわ。
松木さんのきさくな人柄に触れ、書ききれないほどの熱い話を伺いました。手話のこと。聴覚障害のこと。手話はひとつの言語って聞いたことがありますが、聴覚障害の方が暮らしている世界は私にとってはかなり衝撃的。
私たちもそうですが、障害のある方の環境もFacebookなどSNSやスマホの登場で変わってきたそうです。手話もFacebookもコミュニケーションのツールですね。なるほど。それで、ナナシイで手話とfacebookの教室をしているのね…。
(ナナシイ外観と手話勉強会)
(facebook勉強会)
そういえば、後になって小学生の時に聴覚障害のクラスメイトがいたことを思い出しました。
彼女はいつも男の子の制服を着ていたのでおせっかいな女の子たちは、「あなたは女の子なのよ」とか「スカートを履かないの?」とボディランゲージなどいろんな手段で伝えていました。今、考えると「女の子」「男の子」という概念が伝わっていたのかな。とか、手話ができればもっと彼女を理解できたのかなあ。なんて思いました。
聞くところによると開店当時の三重県の民間企業の障害者雇用率は全国最下位。今は少しずつ改善したとはいえ、手話ができる人が増えればもっと雇用率があがるのかも。
それから、なんと2反(600坪!)の農園も菰野にあると聞いてびっくり。さらに、スコップしか持っていないと聞いてさらにびっくり。と、いうのも地域の方が農具を貸してくれたりするのだとか。引きこもりの方も手伝っているってすごい巻き込み力!
(無農薬のニンニク畑)(完熟トマトソースのオムライス)(伊勢にんにくペペロンチーノ)
メニュではふわふわとろ~り卵のオムハヤシが一番人気だそうですが、手話教室の時に食べようかなぁ。
世界が広がりそうな予感。四日市にもあったんですね。こんなお店!